【沈下橋】大正の沈下橋

四万十町のこと

 

こんにちは。四国もやっと梅雨に入りました。来なければ不安になり、来たら来たでそれは少し鬱陶しい存在である梅雨。

そんな梅雨が明ければ来るのが夏。

四万十川はなんといっても夏が本番。全国各地から最後の清流四万十川を目指して多くの方が来られます。

その多くの方のお目当ての一つが沈下橋ではないでしょうか。

当然のこと大正地区にも沈下橋は掛かっており、晴れた日にもなると写真を撮る人の姿があちらこちらで見かけられます。

今回はそんな沈下橋のことについて少し書いてみようと思います。

沈下橋とは?

まず沈下橋とは何ぞやということから。

沈下橋=ちんかばし。と読みます。その名の通り、川に掛かる橋のことですが、その形状が少し通常のものとは違います。

①欄干がない

沈下橋という名の通り、沈下橋は沈みます。沈んだ際に欄干があると流木などで橋が壊されてしまうのでそれを防ぐために欄干がありません。

②川との距離が近い

通常橋というと沈まないように川から離れてつくられているものが多いです。しかし、沈下橋は沈むのもやむなしということで作っているため川との距離が近いです。これはあくまで自分の推測ですが、沈下橋は資金をあまりかけないで橋を架けるというために作られたものですのでコンクリートの量を少しでも節約しようとしたためかもしれません。

沈下橋の原型

沈下橋の原型といわれるものは四万十町のお隣津野町にあります。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

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津野町芳生野の吉村寅太郎邸の下にある、「早瀬の一本橋」がそれです。これは、沈むというより「流される」ことを前提にしている橋です。木で作られた橋の端がロープで繋がれており、大雨になると橋は流されるのですが、川の水が元に戻れば流された橋をロープで引っ張って戻すというものです。

各地の沈下橋

沈下橋というのは何も四万十川だけにあるものではありません。日本全体がお金のなかった昔。安く橋を架けるために全国で沈下橋が作られました。現在でも410橋ほどあるそうで、三重県や大分県。近い所では徳島県にもあります。呼び方は様々で、潜水橋、もぐり橋、沈み橋といったりするそうです。因みに私の大分県の実家近くにもあり、私たちは「沈み橋」と呼んでいました。子供のころはその橋の近くで泳ぎを覚えました。

歴史的には一番古いものは大分県の竜頭橋で明治45年に作られたものが現在残っているものとしては最古です。

四万十川では四万十町にある「一斗俵沈下橋」が最古で昭和10年に作られています。

大正地区の沈下橋

四万十川には約60もの沈下橋があるといわれています。その中で保存対象になっているものは四万十川の本流、支流合わせて48橋。(本流22、支流26)

本流に掛かる22本の内3本が大正にあります。

①向弘瀬沈下橋(昭和38年)

四万十町中央ICから大正に向かう際、一番手前にあるのがこの沈下橋です。しかし、この沈下橋は国道から外れたところにあり、あまり知られていないかもしれません。

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私自身、5年目にして初めてここを訪れその素晴らしさに感動したほどです。

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国道から外れているため、車の往来も少なく静かです。さらには川からの距離が近く四万十川をすぐそばに感じられます。私が行った日は雨の後で水量も多かったので通常よりも川との距離が近かったです。

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また近くには予土線も走っており、運が良ければ予土線と沈下橋のコラボ写真も撮れるかもしれません。

場所は、窪川と大正の境にある広瀬トンネルを抜けてすぐに左側の側道に入り2キロほど走ったところにあります。

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②上宮沈下橋(昭和32年)

国道を通るって大正に来る際に一番最初に出会う沈下橋です。

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ここは沈下橋とはいえ橋桁が高く、雨でもなかなか沈みません。

写真スポットとして人気で、春に行われる「四万十川桜マラソン」ではコースの一部にもなっています。

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ただ、この沈下橋は生活道路しても頻繁に使われていますので、写真などを撮る際は地元の方にも配慮していただけるとありがたいです。

国道沿いに車が停められる場所がありますのでそちらに停めて遠くからの沈下橋を撮るのもおすすめです。

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③上岡沈下橋(昭和38年)

大正の中心部から一番近い場所にある沈下橋です。

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この沈下橋は丸みを帯びた橋桁が特徴的です。

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国道からも良く見え、ここも観光客から人気の橋の一つです。個々の河原は毎年夏、無手無冠さんのパーティーが開かれる場所でもあり、橋の上に立つと四万十川の自然を全身で感じることのできる橋です。

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一見河原が広く車でも行けそうですが、実際に車で入ってしまうととんでもないことになりますので絶対に辞めてください。橋を渡るとUターンするのに大変ですので、できれば車は手前に停めた方がいいと思います。

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沈下橋を楽しむために

最後に、沈下橋は現在でこそ観光的な側面が大きいですが、元来は生活道路です。特に現存する沈下橋は現役として使われているものも多く、地元の方の大切な橋です。写真などを撮って楽しんでもらえるのはとてもありがたいですが、マナーを守り、地元の方にも配慮していただけると助かります。

また、四万十川は清流と呼ばれ一見穏やかな川に見えますが、流れのはやい所も多々あります。油断せず細心の注意を払って川を楽しんでください。

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