【紅葉】表からは見えない紅葉

ゲストハウスのこと, 四万十町のこと

こんにちは。今年の秋は何とも暖かく。日中と朝晩の寒暖差に着る服を悩まされている今日この頃です。

「読書」「食欲」「スポーツ」と秋の魅力は多々ありますが、何といっても「紅葉」というのは日本の秋には欠かせないものだと思います。

そんな、紅葉。全国各地の名所のように赤や黄色の木々が広がるような紅葉は、ここ四万十町にはあまりありません。というのも林業が盛んな高知県では杉や檜といった常緑樹が多く、紅葉するような木があまり植えられていないからです。

しかし、ここ大正には地元の人もあまり知らない隠れた名所があるのです。

【表からは見えない紅葉の山】

地元の人もあまり知らない紅葉。なぜそんなことになっているのか。

それはその場所が町中からはあまり見えないからです。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

そこは、大正の東側、テレビ塔がある山の手前にある山なのですが、紅葉があるのはその山の裏側になるため町中からは全く見えないのです。

私がその場所を知ったのは地域おこし協力隊時代のことです。テレビ塔に上がる道沿いにある紅葉を見ようと山を登った時にその存在に気付きました。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

 

そこへの道を何とか探し当て行ってみてびっくり!

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

紅葉の森がそこには広がっていました。

【なぜあそこに紅葉があるのか】

この紅葉の山に植えられている木は「タイワンカエデ」という木です。

「この場所にだけ何でこんなにタイワンカエデが植えられてるんだ?」

そう思った私は色んな人や役場に聞いたり、図書館で調べたりしてみました。

しかし、よくわかりませんでした。

ただ、わかったのはあの山が「大正高校(現四万十高校)の林業実習林だった」ということだけ。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

そんな時、役場で「あの人ならわかるかも」という方を教えてもらい聞きに行きました。

その人に聞いて、ある程度のことがわかりました。

【紅葉の山の歴史】

話は昭和18年まで遡ります。

当時、大正には農林省の農林試験場がありました。その後昭和29年に事務所が払い下げられて、その後にできたのが四万十高校の前身である「窪川高校大正分校」です。その分校には林業課があり、その林業試験場としてあの山は使われていました。その後昭和57年に大正高校の林業家は閉科してしまいます。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

そして、山に変化が訪れるのはそこから5年後の昭和62年。

大正町の町政40周年記念として「大正町100年の森設置条例」というのができたのです。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

その第一条には以下の条文が書かれています。

”この条例は、町制施行40周年を記念して、現存するいつ樹木を今後100年間育て、森林財産の蓄積を図るとともに、林業立町のシンボルとすることを目的とする。”

この条例の元、設置されたのが町有林3.81ヘクタールを利用した「100年の森」です。

そこには樹齢35年の檜15000本、杉1700本と樹齢43年のタイワンカエデ100本があり、それを今後100年間手を加えず守っていこうというものです。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

また、タイワンカエデについてですが、なぜ植えられていたかは正直わかりませんでした、しかし、「大正町史」を読むと面白い記述があり、それによると昭和40年代にシイタケの原木不足という問題が発生し、シイタケ菌を植え付けるのに最適なナラ、クヌギ、シデの代わりに10年ほどで育つタイワンカエデに着目したと書かれています。結果はあまり良くなかったみたいですが、もしかしたらそれがタイワンカエデが植えられたきっかけかもしれません。

【紅葉を見つけにいきませんか?】

100年の森の紅葉が始まるのは例年ですともうそろそろです。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

紅葉自体はテレビ塔への道の途中で見えますが、実際の場所には行くには少し道が違います。

事前に言ってもらえれば案内しますので行ってみたい方はお声をかけて下さい。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

将来的には紅葉ツアーのようなものにして商品化してみたいとは思いますが、まだまだそこまではいってません。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

ただ、正直ネットとかにこの場所までの道を発表したくはないとは思っています。実際に大正に来て、きちんと顔を合わせて、歴史とかそういった背景までも伝えたうえで案内させてもらおうと思います。

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大正の歴史と想いが詰まった紅葉。見に来てみませんか?

 

 

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