【四万十高校】小さな町の小さな高校

ゲストハウスのこと, 四万十町のこと

こんにちは。2019年(令和元年)も残りあと10日ばかりとなりました。ゲストハウスの方も大掃除を開始。日々少しずつ普段できないところを掃除しています。

さて、そんな年末ですが今回は来年のことについて書こうと思います。

宿の裏山の上にある四万十高校についてです。

【四万十町にある2つの高校】

四万十町の人口は約17000人。高知県一の広さ(642㎢)を誇るにも関わらず人口は非常に少ないです。

その少ない人口にも関わらず四万十町には2つの公立高校が存在しています。

一つは町中心部の窪川地区にある「県立窪川高校」。そしてもう一つは大正地区にある「県立四万十高校」です。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

四万十高校のある四万十町大正地区。その中心部は合併前”田野々”と呼ばれていました。地名は現在使われていませんが「たののこども園」や「田野々小学校」として残っています。

広さは約40万㎡。商店街の端から端までの距離も1.5キロほどしかなく、その狭い範囲の中に、こども園、小学校、中学校、高校があります。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

四万十高校は田野々の中の小高い丘の上にあります。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

【四万十高校の歴史】

四万十高校の歴史は遠く戦後昭和20年代に遡ります。

昭和29年(1954年)。県立窪川高校大正分校として四万十高校は誕生しました。当初は旧林業試験場を利用し、4年課程の定時制林業課として始まりました。

初年度の生徒数は38名。その後昭和36年に全日制となり、昭和38年に普通科が併設されました。

昭和40年、窪川高校から独立。県立大正高校になりました。その時の生徒数は普通科48名。林業課44名の計92名でした。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

昭和55年。国内林業の衰退に伴い生徒数も減ってきていたために林業課の募集を停止。昭和57年に林業課は閉科されてしまいます。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

一方で部活動の活躍は目覚ましく、昭和55年に女子ハンドボール部が全国高校総体で3位。昭和61年にソフトボール部が全国選抜でベスト8に入るなどの好成績を残しています。

しかし、生徒数の減少は激しく昭和40年に92名いた生徒数は平成4年に48名にまで減ってしまいます。

そんな中、地域住民による「大正高校の活性化を考える研究会」が発足。平成9年に中高連携教育研究校として指定され全国から生徒を受け入れることが可能になりました。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

そして、平成11年。全国でも珍しい「自然環境コース」が設置され、普通科の中に「普通コース」と「自然環境コース」という2つのコース体制になりました。同時に大正高校から四万十高校へと校名も変更されました。

【廃校の危機】

高知県の「県立高等学校再編振興計画」によると、”地域の学びの機会を保障するために最低規模を1学年1学級(20人以上)以上などとしてできる限り維持する。”と書かれています。

県の方もできる限りこれ以上の廃校は出さないようにしようとしてくれてはいますが、少子高齢化、過疎化等の進行で何もしなければ生徒数は減っていき、廃校も免れなくはなっていくと思います。

それに関してただ座して待つのみではなく、何かしらのアクションをしていかなければならない時に来ています。そこで、四万十町でも数年前から色んな取り組みをしています。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

-じゆうく-

2016年に四万十町が設けた町営公設塾「じゆうく」です。

全国で自治体と一緒に地域の子供たちに学ぶ場を提供している「foundingbase」と四万十町がタッグを組んで「四万十町高校応援大作戦」として、窪川と大正にそれぞれ塾を作っています。

四万十町の高校2校(窪川高校、四万十高校)に通う学生は無料で通うことのできる塾です。この塾ではこれまでのような詰め込み式の勉強ではなく、どちらかというと「なぜ勉強するのか」「日常におこる様々なことを違う視点で考えてみよう」といった人材育成の方に力点をおいた学習をしています。

EkimaehouseSamaruと同じ館内にある「大正駅前にぎわい拠点」でも時折授業を行っており、なにやら楽しそうに生徒たちが勉強しています。

-魅力化コーディネーター-

こちらも「四万十町高校応援大作戦」の一環です。

公設塾じゆうくの取り組みをはじめとした取り組みに注目してもらわなければ生徒数は増えません。そうした取り組みを内外に広報したり、実際に全国を回って生徒募集をしたり色々なPRをしていく方たちです。

また、地域と学校を結びつけるような役割も担っています。

-部活動-

大正地区にある大正中学校は数年前から「ジャズ」に力を入れています。

その名は「Fairy Pitta Jazz Orchestra」。高知県の県鳥ヤイロチョウの英語名です。ジャズという物珍しさもあって町内のイベントで引っ張りだこの人気部で、イベントにフェアリーピッタが来るとなると多くの観客が来てくれます。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

しかし、せっかく中学の3年間ジャズに親しんでも四万十高校にはジャズ部はなく、音楽を辞めてしまう生徒もいました。そこで、ジャズを高校でも続けてできるようにしました。

現在は、中高一貫の部活動として活動しており、毎年11月には定期演奏会も開催され多くの地域住民の方が会場に足を運ぶ人気イベントになっています。

この他にもソフトボール部など、人数の少なさを中高が一貫して行うことでカバーしています。

地域に学校があるということはとても大きなことです。学校がなくなれば地域の元気はさらに加速してなくなっていくことでしょう。そうならないためにも宿として、個人としてできることをやっていきたいと思います。その第一弾としてある企画を思いつきました。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

【四万十高校受験生応援企画】

今回EkimaehouseSamaruでは四万十高校応援企画を考えました。四万十高校の今年の受験日程は3月4日、5日。

その前日である3月3日、4日の宿泊は四万十高校受験生だけの受付にします。値段もお1人2500円(通常3000円)とさせてもらいます。

お部屋の関係で3組までしか受け入れることができません。現在2組のご予約を受けていますので残り1組までとなりますが、もし四万十高校を受けようと思っているけど宿が心配という方はご相談ください。

また、受験当日のお弁当(700円)も手配します。

 

 

 

  • コメント ( 2 )

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  1. 須貝惠子

    2023/11/10㈮ 今頃、拝見しました。
    中2の息子を持つ、長女が送っでくれました。
    四万十高校への県外入試を考えているようです。
    付添は、たいてい祖母である私に頼ってくるので、参考資料にと送ってきたようです。

    とても素敵な記事ですね。
    小さな町の小さな高校に対する思い入れ、愛情が溢れています。
    私自身は、旧中村市下田で、小学5年生まで在住、その後も成人するまで毎年、夏休みには帰省し、四万十川で遊泳して過ごしていたので、『四万十』には懐かしさも一杯です。
    是非とも、そちらを訪れ見学してみたい思いです。

    • 小野雄介

      コメントありがとうございます。
      今年もすでに数組のお問い合わせをいただいておりありがたい限りです。
      他地区から来る生徒たちによって四万十も少しずつ変わってきているような気もしています。
      自分自身も四万十の出身ではありませんが四万十を盛り上げるために頑張っていきたいと思っています。
      ぜひ一度遊びに来てみてください。

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