【ウォールアート】Eki de Oekaki

ゲストハウスのこと

こんにちは。

今日で9月も終わり。「今年も残すところ…」という言葉が使われ始めています。

今年も残すところ後3か月。

年のせいか年々時間の速さが早くなっている気がしますが、誰にでも平等に時間は流れています。

時間の流れが今よりゆっくりだった高校時代。私は日夜野球に明け暮れていました。いわゆる「高校球児」というやつです。

あの当時は自分が40歳になるなんて少しも想像できなかった時代ですが、あれから約20年。立派なおじさんになってしまいました。

おじさんになればなったでそれなりに面白いこともあります。

それが9月に実施したJR土佐大正駅連絡通路のウォールアート。

地元四万十高校生にお願いして私の願望を叶えてもらいました。

 

【JR土佐大正駅】

今回の舞台はJR土佐大正駅。

1974年に予土線が開通したのと同時に開業した駅です。

開業当初はプレハブでしたが、平成元年に地元材を利用して山小屋風の駅舎に改築されました。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

プレハブ駅の多い予土線の駅の中でもお洒落な駅舎は観光客からも人気で、よく駅前で写真を撮っている姿を見かけます。

 

平成31年4月29日には、「平成最後の昭和の日に大正駅前で写真を撮る」ということで、多くの方が来られました。

 

【ウォールアートを描こう】

今回ウォールアートを描いたのは、大正駅とホームを繋ぐ連絡通路の一角です。

 

イラストを描くまでの連絡通路の感想は正直言って“暗い”。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

コンクリート打ちっぱなしの冷たい感じのする通路は実写版「北斗の〇」のロケ地として使えそうなくらいでした。

そんな、連絡通路に絵を描くことで少し明るくしよう。それが、この企画のきっかけです。

 

【予土線の危機=大正の危機】

“100円稼ぐに1000円掛かる”

JR四国の中で一番の赤字路線予土線。

JR土佐大正駅の一日の平均乗降者数は30人。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

JRさんにとってはお荷物になっているであろう予土線。

しかし、そんな中でもJRさんは「鉄道ホビートレイン」「しまんトロッコ」などユニークな汽車を走らせ頑張ってくれています。

 

一度無くなった線路が復活することはほぼありません。

一度無くなってしまえば二度と線路が走ることはないでしょう。

線路がまだ続いているうちに地元として何かできることはないか。

無い頭で考えた結果出たのが「ウォールアート」でした。

 

羽が描かれたイラストをバックに写真を撮る若者。

そんな姿を思い浮かべました。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

 

“土佐大正駅に描かれたイラストの前で、観光客が写真を撮って、それをSNSに上げてバズれば、大正駅に人が沢山来て大正が賑やかになり、予土線も残るのではないか”

打算的ながらそんな未来を思い描きました。

何より地元として、何かできないか、あがくことができないか、そう考えました。

 

【高校生を巻き込んで】

当初は無恥ながら、私が描こうと思っていました。

しかし、何の実績もない、ゲストハウスのおっさんがいきなりJRさんに「壁に絵を描いていいですか?」なんて言ったって描かせてもらえるわけがありません。

 

そこで考えたのが、「四万十高校生を使う事」です。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

地元の高校生が駅を賑やかにするためにイラスト描く。

これならJRさんにとっても、地元にとっても、私にとってもいいのではないかと思いました。

早速、高校にこの企画を提案。協力を取り付けました。

次にJRさんへの許可願い。

こちらも、許可をいただくことが出来ました。

 

これで大正駅にイラストを描く算段が整いました。

 

【イラスト決定】

イラスト内容についても高校生にお任せしました。

イラストを考えてもらう上で、私としてお願いしたことがあります。

それは、

「大正の未来とか四万十の自然とか、大人が喜びそうなものは描かないでほしい。お願いしたいのは一点だけ、バズる絵を描いてくれ」

というものです。

 

著作権の問題がある、アニメなどの絵は当然ですが、よくある大人に慮ったイラストは描いて欲しくないと思いました。

「高校生が描きたい絵を描いて欲しい」

それをお願いしました。

 

何度か高校に出向き、高校生と打ち合わせをしてできたイラスト案は“白いキャンバスにみんなで自由に絵を描く”というものでした。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

 

【当日までの準備=大人の仕事】

イラスト案が決まって、イラストを描く日が決まったところで準備に入りました。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

当日はイラストだけを高校生に描いてもらうように、白いキャンバスまでは大人で準備することにしました。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

コンクリート面を高圧洗浄機で綺麗にして、シーラーを塗り、白いペンキを塗りました。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

【当日=高校生の仕事】

イラスト描き当日。

 

朝九時に高校生に集合してもらいました。集まってくれたのは四万十高校生2年生、1年生の7人。

その他にも高校の先生方。地域おこし協力隊。新聞。ケーブルテレビ。

まずは、下書き。

イラスト案を考えてくれた子が基準となる線を鉛筆で下書きしていきます。

その後、黒いペンキで線をなぞっていきました。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

そうしてできた空間に各々が自由にイラストを描いていきます。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

朝九時に始まった作業は4時間後の午後1時に終了しました。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

正直、イラスト案を見た時にはどんな絵になるのか不安でした。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

しかしそれは杞憂に終わり、素晴らしいイラストが駅の連絡通路に描かれました。

※数日後一応イラストの前でかっこつけて写真もとってみました。

この町全体が1つの宿|四万十町ゲストハウス「Ekimaehouse SAMARU」

【ここから】

今回の連絡通路イラスト作戦は無事に成功して終わりました。

ケーブルテレビや新聞に取り上げてもらったことで地域の方の知る所ともなり、評判は上々です。

 

しかし、これだけで終わらせたくはありません。

 

今回のことはあくまで出発点で、これ以降も駅の活性化、のちには町の活性化につなげていきたいという思いがあります。

連絡通路の他の場所にもイラストを描いていきたいし、駅舎や駅前のにぎやかしも行っていきたいです。そこから町の活性化にまで進めていければと思います。

そうして、魅力ある町をつくっていければ自然と人が来て、私のゲストハウスにも人が来てくれるという皮算用です。

 

ゲストハウスで儲かるために町を魅力あるものにしていく。

遠回りかもしれませんがそれが確実で、何より面白いとおもいませんか?

 

因みに今回のイラスト企画の様子は地元ケーブルテレビのHPからでも見られますので是非ご覧になってみて下さい。

四万十ケーブルテレビ⇒みのがしうぉっちんぐ⇒しまんと放送室681回

  • コメント ( 1 )

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  1. 米澤慶一

      小野クンならでは のアイデア良いネ~

      直ぐに行動に移す処も素晴らしい!

      写真も北斗の剣にも出れるくらいに決まってるヨ…かっこイイ!

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